屋根勾配とは?
屋根勾配(やねこうばい)とは、屋根の角度のことです。
地域によって雨量や積雪量、風の強さなどは様々です。
そういった、自然環境に合わせた屋根勾配が必要です。
急勾配、緩勾配のそれぞれの特徴を見ていきましょう。
急勾配の屋根
一般的に、屋根の角度が約30度以上になると急勾配といわれています。
急勾配のメリット
①雨漏りしにくい。
屋根に降り注ぐ雨は、角度が急な屋根ほど速く流れていきます。
水分が滞留しにくいため、雨漏りの危険性は軽減されます。 ②劣化に強い
屋根材は素材が傷んだり、汚れが付着するなど、経年劣化は避けることができません。しかし、急勾配の屋根は、雨などの水分が滞留しにくく、コケやカビなどの発生も軽減されるため、屋根全体の劣化が比較的遅くなるメリットがあります。
急勾配のデメリット
①風に弱い
台風などの強風時、急勾配の屋根は大きな面積で風を受けるため、その負担は大きくなるでしょう。
②費用が高い
急勾配の屋根ほど屋根面積が増加するため、必要な屋根材は多くなります。
またそれに伴い、施工費用、建材費用は高くなってしまいます。
③メンテナンス、修理が大変
急勾配の屋根は屋根上での作業がやりにくく、危険性も高いため、業者によるメンテナンスや修理も一苦労です。 足場も必要になるため、メンテナンス管理費全般の価格が高くなるでしょう。
緩勾配の屋根
屋根角度が約17度以下の場合は、緩勾配と呼ばれることが多いでしょう。
緩勾配のメリット
①風に対して強くなる
風を横から受ける面積が小さくなるため、耐風性は高くなります。
②費用が安くなる
屋根面積が小さい分、工事費、資材費は安くなります。
③メンテナンス費用が安い
点検や修理などのメンテナンスは安くなるでしょう。屋根に登っての作業がしやすく、足場を不要なケースが多いためてです。
緩勾配のデメリット
①雨漏りしやすくなる
屋根角度が緩やかなほど、雨水が溜まる時間が長くなるため、雨漏りの危険性は上がってしまいます。
②劣化しやすい
雨水などの滞留時間が長くなるため、屋根材の劣化は早くなります。 また、汚れや飛来するホコリやゴミなども溜まりやすく、コケ、カビなども発生しやすくなります。
雪の多い地域では
雪の多い地域では、積雪しにくいように、急勾配の方が良いと思われがちですが、日本の雪国では緩勾配の屋根が多く見られます。 その理由は、屋根に登っての雪かきがしやすいこと、そして屋根からの落雪による事故防止のためといわれています。 海外では屋根への積雪を嫌って、雪国でも急勾配の屋根が頻繁に採用されています。
屋根材と勾配の関係
屋根材によって適切な勾配はある程度決められています、「必要最低勾配」と呼ばれることもありますが、あまりに緩やかな角度は雨漏りや早期劣化の原因となります。使用する屋根材の性能と併せて、勾配の相談をする必要があります。
まとめ
意外と気にされる方が少ない屋根の勾配ですが、お住いの地域の気候などをしっかり考慮し、自然災害の影響をなるべく受けない勾配設定を考えていきましょう。 「屋根勾配」→「屋根材」の順番で設計計画を立てるのも1つの方法です。 そうすることで、デザインと性能を両立した、理想の家づくりがしやすくなるかもしれませ。
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