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日本の畳文化の歴史について1/1

大陸からの影響を色濃く受けてきた日本の歴史ですが、その中で「畳」は日本で生まれた、生粋の日本文化といえるのではないでしょうか。 原料となるイグサを用いた畳は、四季折々の日本の気候に合った性能を持ち、 湿度の変化などにも対応できる、とても優れた床材です。 今回はそんな畳の歴史に触れてみましょう。

画像はイメージです

奈良時代の畳

奈良時代の畳が歴史上、最も古い畳といわれています。 現在の畳とは若干違い、マコモを編んだゴザのようなものを5、6枚重ねて畳床としてイグサのコモで覆い、錦の縁が付けられていました。これを二台並べて寝るときのベットのように使用していました。

平安時代の畳

この時代の畳は、権力を象徴するものの一つでした。現在のように床に敷きつめられたものではなく、必要な場所にのみ畳を置いていました。貴族の住まいが寝殿造りになると、板の間(今でいう座布団のかわり)に敷いたり寝具として、家のあちこちに畳が置かれました。

鎌倉時代の畳

鎌倉時代以前では座布団のように使われていた畳も、この時代あたりから部屋全体、床全面に敷かれるようになり床材として、現代に近い形で使用されるようになりました。

室町時代の畳

部屋全体に敷き詰められた畳により、この時代のころから、正座をする文化が広まり始めたといわれています。

安土桃山時代の畳

茶道が発達してきた安土桃山時代では、炉の位置により畳の敷き方も変わってきたといわれています。このころから一部の町人の家にも畳が使われるようになりました。

江戸時代の畳

江戸時代には、役職として御畳奉行がつくられ、武家には大切にされ、将軍や大名にとっては特に重要なものになりました。
畳が町民に普及したのは江戸時代の中頃以降で、更に農村では明治に入ってからになります。
長屋などでは、長屋を借りる者が畳を自ら用意しなければならなかったため、畳はとても大切にされ、手入れをしながら長く使っていくようになりました。
それまで、い草は野生のものを使用していましたが、本格的に栽培がはじまり、畳を作りを生業とする畳職人という職業が確立されたのも、この時代です。畳の普及と共に庶民の家にも使われるようになりました。

明治時代の畳

これまでは畳の柄などは身分によって規制がかかっていましたが、明治維新後はそういった規制が解除され、一般社会に畳が広く普及していきました。

昭和時代の畳

人々の生活も西洋風になり、和室に座る生活からイスやソファーに座る生活になってきました。カーペットが普及していながらも、まだ家の中は畳の部屋が基本となっていました。

現代の畳

フローリングが普及し、家を建てる際も和室を作らないケースが増えてきました。
しかし、フローリングは部屋が寒いなどの理由もあり、畳が見直されている風潮もあります。フローリングの上に置くだけの畳や、琉球畳なども人気がでてきました。
科学素材も使われるようになり、機能性も高い畳になってきました。

終わりに…

最近では、新築やリフォームで和室のない家が増えてきています。しかし、フローリングの一部に畳を設置するケースもあり、時代とともに畳のかたち、使い方などは変化してます。
日本を代表する文化のひとつ「畳」をこれからも大切に伝えていきたいものですね。

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